漂流教室
楳図 かずお
すごかったー。
この作品は本当に凄まじいものがあった。
今の漫画界からは決して生まれでない怪作と言えよう。
この作品は尋常ならざるパワーを持っている。
気付いた時には心を引き摺り込まれてしまっていた。
ありえない状況が次々と巻き起こり、思わずおいおいと笑ってしまうような描写まであるというのに、なんなんだろうかこのリアリティは。
いくらなんでもそれは無いだろうと言いたくなるような場面でさえ、ぞわぞわと背中を這ってくるような、寒気にも似たリアリティを感じてしまう。
最初はホラーちっくな描写や、小説風な独特の語りだし、そして作品そのものの時代のズレというもので、少々の戸惑いがあり取っ付きにくい感じもあったのだが、それも一巻を読み終える頃にはすっかりなくなっていた。
この作品は今一度、世に出てもいいと思う。
今、人類が抱えている大きな問題である環境汚染について、深く問いかけてくるものがあるからだ。
この作品の様になってからでは遅い、そう思わせてくれる。
……環境汚染について、考えている人間なんて一体どれだけいるのだろう。
この作品は、その問題について考えるためのキッカケとなりえる作品である。
一つ目様が来てからでは遅いのだ。
そして、それとはまた別に、素晴らしい親子愛も描かれている。
正直、この作品にここまで感動させられるとは思っていなかった。
読めば分かると思うけれど、お母さんがトランシーバーを通じて主人公の高松君に言葉を通わせたときには、もう目頭が熱くなりましたね。
涙腺はかなり硬いほうなのですが、やられてしまいました。
この場面のためだけに読んでもいいと思えるほどです。
ああ、一気に読んだので少々疲れました。
お腹一杯です。
私はこの作品が、大好きです。
久々にまた読みたくなりました(笑)
Re:久々にまた読みたくなりました(笑)
無題
Re:無題
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