~ ロストオデッセイ ~
「千年の夢」
重松清さんが手掛けたサブシナリオ。
……サブシナリオ、とは銘打ってあるものの、これは平行したメインストーリーと言っても差し支えない。
なにしろ過去千年にさかのぼる記憶の結晶なのであり、今のカイムを形作る確かなモノなのであるから、これを知らずに今の(ゲーム中)カイムだけを見ても、色褪せるっちゅうものです。
また、ただのサウンドノベルで終わらないところも良かった。
文字の表現方法もゲームならではの演出が多く、音楽も非常にマッチしていて臨場感が増していた。
これぞ、ゲームで表現する小説といったところです。
文字ばかりのものは苦手、という人も一度読んでほしいです。
この「ロストオデッセイ」というゲームには随所に「飽きさせない」ための工夫が散りばめられており、この千年の夢でもそれは例外ではありませんからね。
きっとすんなり読んでいく事が出来ると思います。
どうしてゲームなのに、こんな小説っぽいことをするの?
と思われる人もいるかもしれませんが、小説でしか表現できないもの、もしくは小説という形式が一番効果的に力を発揮する事が出来る場合、というものがあるものです。
今回は重松清さんの本職が小説家ということもあり、題材も題材ということで「小説という形」は、非常に良いものだと私は思っております。短編感動大作ですよこれは。大好きです。
ちなみに、書籍のほうでも「ロストオデッセイ 千年の夢」というものがありますが、これとこのゲームに収録されている短編は同じものです。ただ表現方法の違いにより感じ方は若干異なるかもしれませんが。
あと、このロストオデッセイという作品には、書籍版の方には収録されていなかった短編もいくらか収録されています。書籍のほうはカイムの夢だけですが、ゲームのほうでは……、という事です。お楽しみに。
さて、今回はこの辺で!
書籍の方には
・老兵士の遺言
・語り部サミィ
・永遠の孤独
の三篇が納められており、
ゲームの方では、
・セスの夢 前編
・セスの夢 後編
・女王陛下の孤独
この三篇が納められている模様です。さっき調べました。
この三篇は互いに、片方の媒体でしか読むことが出来ません。
そのため、全て読みたい方は両方買うしかないようです。
ちなみに、書籍版の三篇ですが、これらは「それほどでもない」から収録されなかったからでは決してありません。他編と一列に並べおいたとしても、色褪せるどころかむしろ一際輝いているような逸品ばかりです。
どうしてこれ程の名作を外したんだろう? と考えると、これら逸品をあえてゲームに収録させいことによって、書籍「千年の夢」への購買意欲を邁進させるためなのではないだろうか、なんて考えも浮かび上がってきました……が、ミストウォーカーが大々的にその事について触れているわけでもないので、実際そんな事は無いのかもしれませんけどね!
まあ、私がこれらの作品が大好きなことには、なんら変わりはありません。
こんにちは♪
いらっしゃいませ!
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